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「知らない人に売却するよりも、身内のほうが簡単に売買取引できそう」と思っている人へ。

一般的に、マンションや土地などの不動産を身内に売却するのは難しいと言われています。

贈与税が課せられてしまったり、銀行からの融資が受けられなかったりして、一筋縄にはいかないためです。

では親族間で不動産を売買する場合、どうしたら良いのでしょうか。

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この記事では、「身内に不動産を売却するときの注意ポイント」から「親族間の不動産売買を成功させる方法」について紹介していきます。

親族間で不動産売買するときの4つの注意ポイント

土地の画像

親族間・親子間・兄弟間でマンションを売却するときの注意ポイントは、以下のとおりです。

  • 住宅ローンが借りられない確率が高い
  • 時価よりも安く売買すると贈与税が課せられる
  • 売買契約書を作成しないとトラブルになる
  • 住宅ローン控除が使えない可能性がある

住宅ローンの審査に通らない可能性が高い

住宅ローンのイメージ画像

親族間・親子間・兄弟間でマンションを売却する場合、銀行から住宅ローン融資が受けられないという問題があります。

親族間で不動産売買する話が進んでいたとしても、いざ銀行に融資を依頼しにいったら門前払いされてしまった、というケースも少なくありません。

銀行が親族間売買に対してお金を貸したがらない理由は、以下のとおりです。

  • 売買価格が適正でない場合が多いから
  • 親子間・親族間で所有権移転する目的が、売買ではなく贈与である可能性が高いから
  • 子の名前で住宅取得費用としてお金を借りておきながら、間接的に親の債務返済に利用する可能性が高いから

親族間売買は上述のように正当性に欠けているケースが多く、銀行は融資したがりません。

買主側にマンションを購入するだけの資金力があれば住宅ローンを借りられなくても問題ありませんが、何千万円という多額の金額を現金で用意できる人は滅多にいないため、親族間売買は難しいと言われています。

時価よりも安い価額で売買すると贈与税が課せられる

売買価格を時価よりも安い金額で設定してしまうと、贈与という扱いになって売買価格と時価の差額に対して贈与税が課税されてしまいますので、注意してください。

時価とは通常の取引価格、物件の相場価格のことで、極端に下回る金額での取引は贈与が目的であるとみなされます。

たとえば、時価3,000万円のマンションを1,000万円で取引した場合、差額の2,000万円は贈与として扱われてしまうということです。

贈与とみなされてしまった場合にかかる贈与税がいくらなのか知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。

マンションを生前贈与した場合の税金は?相続時精算課税とは?

この記事ではマンションを生前贈与したときに贈与税などの税金はいくらかかるのか紹介しています。住宅の名義を孫や子供に変更するときに利用できる非課税制度の注意点について知っておかないと、生前贈与したことを後悔する可能性があります。

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身内だからといって売買契約書を作成しないとトラブルになる

売買契約書の画像

親族間でマンションを売却する場合、売買契約書を作成しないケースが多く見受けられます。

特に親子間、兄弟間のマンション売買は口頭ベースでおこなわれることが多く、何か問題が起きたらその都度話し合えば良いからとルールを明確に取り決めない場合も少なくありません。

しかし、いざ問題が起きたとき、話し合いは難航することが予想されます。

たとえば、設備不良や物件に不具合が生じ、誰が費用負担して修補するのかを決めるとします。

売主側からすれば「売った後に生じた不具合に対していつまでも責任を持てない」と思うかもしれませんが、買主側からすれば「元々あった不具合なのではないか」と売主側が払うよう求めるかもしれません。

通常の取引では何かトラブルがあったとき、売買契約書で取り決めた内容をもとに解決していくことができますが、売買契約書がない取引ではそれができないため、問題解決まで多大な労力を要する可能性があります。

住宅ローン控除が利用できない可能性がある

親族間におけるマンション売買では、買主側が住宅ローン控除を利用できない可能性があります。

住宅ローン控除は、生計を一にしていない人との売買取引が条件となっているからです。

もしも生計を一にしている親族との不動産売買の場合は、住宅ローン控除の適用外になります。

住宅ローン控除の適用には、同居かどうかは関係ありません。

同居していなくても親から子へ生活資金を送っているなどのケースでは同一生計とみなされ、住宅ローン控除は利用できません。

親族間・家族間でマンションや土地の売買を成功させる方法

親族間売買を成功させる方法

では親族間・親子間・兄弟間でのマンション売却は無理なのかといったら、必ずしも売買取引できないわけではありません。

親族間でのマンション売却を成功させるためには、適正価格で売買すること銀行に融資の依頼をする前に不動産会社に相談することを順守しましょう。

安易な名義変更はNG!適正価格で売買取引しよう

親族間売買の場合、時価よりも安く取引して安易に名義変更をおこなうケースが多いのですが、適正価格で売買することが大切です。

時価を下回る金額で売買取引することには、以下の2つの問題があります。

時価を下回る金額で売買取引することで生じる問題

  • 贈与税が課税されてしまう
  • 銀行からローン融資が受けられない

贈与とみなされて税金をとられたり、取引の正当性が認められず銀行から融資を受けられないという問題を回避するためには、適正価格で売買することが重要です。

適正価格がいくらか知りたい人は、不動産一括査定サイトを利用して査定してもらいましょう。

【不動産一括査定サイトとは】

ネット上で物件情報を入力するだけで複数社にまとめて査定依頼できる便利ツール

わざわざ不動産会社の事務所に出向かなくても、空き時間に不動産の価値を調べることができます。

複数者の見積もりを集められるので、親戚など取引相手に提示する根拠としても十分です。

一括査定サイトの画像

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銀行に融資の依頼をする前に不動産会社に相談する

銀行に融資の依頼をする前に、親族間売買について専門的な知識を持っている不動産会社に相談することをおすすめします。

ほとんどの銀行は、親族間のマンション売買取引に対してお金を貸したがらないため、あらかじめ対策を講じる必要があるからです。

銀行から住宅ローンを借りたい場合は、親族間売買であっても通常の取引と変わらないことを証明し、融資を受ける正当性があることを示しましょう。

親族間取引でも住宅ローンを借りられる条件
  • 適正価格であること
  • 贈与を目的としていないこと
  • 売買契約書や重要事項説明書が通常の契約と同様であること

最低限、上記の条件を満たしていなければ、銀行から融資を受けることはできません。

親族間売買について専門的な知識がない売主がいきなり銀行に融資を依頼しても、許可してもらえない確率が高いので気をつけて下さい。

必ず売買契約書を作成する

親子間、兄弟間のマンション売買取引であっても、必ず売買契約書を作成しましょう。

民法上は契約書を作成しなくても売買契約は成立するため、親族間だとどうしても省略してしまう傾向にあります。

しかし何かトラブルが起きたときには重要な証拠となる書類であり、契約書を作成しない売買契約は大きなリスクを伴います。

たとえばマンションの購入者が亡くなった後、物件に不具合が発生したとします。

当事者同士は「取引後に生じた不具合について売主は責任をとらない」ということで合意していたとしても、買主である当事者は亡くなっていて、その約束を証明するものもありません。

もしも買主の相続人が、物件の不具合については売主が責任をとると聞いている、と主張すれば厄介なトラブルへと発展してしまうでしょう。

親子や兄弟、親族であっても後から険悪になってしまう可能性がありますし、後の世代にトラブルの種を残さないためにも、決め事は紙で残しておくことが大切です。
売買契約書は確定申告で必要になる

不動産を売却すると、売却した翌年の2月16日から3月15日に確定申告をしなければならないのですが、確定申告に売買契約書が必要になります。

売買契約書を作成しないと、確定申告時にも困るということです。

また売買契約書は、買主が将来マンションを売却しようと思ったときにも必要になりますので、必ず作成しておきましょう。

親族間・親子間・兄弟間の売買取引でも不動産会社に仲介してもらうべき

親族間売買でも仲介者が必要

親族間のマンション売却であっても、不動産会社に間に入ってもらうことをおすすめします。

不動産会社に仲介に入ってもらうメリットは、以下の5つです。

  • 書類作成の手間が省ける
  • 銀行からの融資が受けやすくなる
  • 査定額を参考に売買代金を決められるため贈与税がかからない
  • リスク管理してくれるためトラブルに発展しにくい
  • 相談に乗ってもらえる

親族間の売買取引ではリスクに対する認識が甘くなりがちなので、不動産会社にしっかりとリスク管理をしてもらいます。

また不動産の知識を持っていない素人が売買契約書などの書類を作成するのは難しいため、不動産会社に作成してもらいましょう。

適正価格を調べたときに査定依頼した不動産会社の中から、仲介してもらう会社を選ぶとスムーズです。

仲介手数料はいくらくらいが妥当?

親族間売買を不動産会社に仲介してもらう場合、不動産会社に支払う報酬は10〜50万円が妥当です。

購入者を探す手間がなく、トラブルになる確率も低いことから、一般的に請求される仲介手数料を満額、支払う必要はありません。

書類の作成のみであれば10万円程度でやってくれる不動産会社もありますが、売買手続きや決済の進行までサポートしてくれ、売買契約に対する責任を持ってくれる不動産会社を探すことをおすすめします。

親族間売買に該当する親族の範囲はどこまで?

親族の範囲はどこまで?

親族間売買に該当する親族の範囲について、WIKIBOOKSに以下の記述がありましたので参考にしてください。

第725条
次に掲げる者は、親族とする。
一  六親等内の血族
二  配偶者
三  三親等内の姻族

「血族」は、養子縁組によって親族になった「法定血族」も含まれます。

親族の範囲を図にすると、以下のようになります。

血縁図

管理人からの一言「親族間のマンション売却を任せる仲介会社は一括査定サイトで見つけよう」

一般的に、親族間でマンションを売却するのは難しいと言われています。

親族間におけるマンション売買を成功させるためには、まずは親族間売買に詳しい不動産会社を見つけることが大切です。

知り合いに親族間売買について詳しい不動産会社がいない場合は、不動産一括査定サイトを利用すると、効率的かつ確実に質の良い不動産会社に出会えるのでおすすめです。

親族間売買は通常の売却とは異なる点が多く、専門的な知識を持っていない不動産会社に相談してしまうと失敗してしまいます。

イエウールで一括査定したら310万も高くなった

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