重要事項説明書の画像

  • 重要事項説明書って何が書いてあるの?
  • 理解できないまま契約を進めてしまった

このような声をよく耳にします。

重要事項説明書には、専門用語がたくさん使われています。

そのため、素人が解読するのは難しいかもしれません。

しかし、理解できないまま不動産売買を進めるのはとても危険です。

後から「聞いていない」と言っても、「重要事項説明書に書いてあります」と言われたら対抗できません。

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この記事では、「重要事項説明書の記載内容とチェックポイント」から「注意すること」について紹介していきます。

そもそも重要事項説明書とは?なんで必要なの?

契約書のイメージ画像

重要事項説明書とは、その名のとおり、マンションの売買契約を締結するにあたって確認しておくべき重要な事項が記載された書類になります。

簡単に言うと、マンションを売買するときに作成するルールブックです。

作成者 宅地建物取引主任者
誰から誰に 宅地建物取引主任者から売主と買主の双方に説明
説明の時期 不動産売買を結ぶ前(当日におこなうのが一般的)

重要事項説明書は、安全にマンションを購入するために作られた、買主のために作成される書類になります。(消費者保護)

そのため、売主への説明をおこなわない宅建業者もいますが、売主も説明を受け、双方が内容を理解したうえで契約を進めてください。

重要事項説明書は、マンション売買におけるトラブルをなくすために作成されるにもかかわらず、紛争原因の第1位となっているからです。

公益財団法人不動産流通推進センターのホームページに、不動産売買における紛争相談件数について書かれていましたので参考にしてください。

紛争相談件数(平成28年度)

項目 件数
重要事項説明等(重要事項の不告知を含む) 102
契約の解除(ローン不成立の解除を含む) 70
瑕疵問題(瑕疵補修を含む) 30
契約内容に係る書面の交付 10
瑕疵担保責任の特約の制限 9
相手方等の保護に欠ける行為の禁止 9
手附の額の制限等 7
手付金、中間金等の返還 7
ローン手続(金融機関、金額、金利等) 7
違約金の支払い 5

この資料は平成28年度のものですが、平成24〜27年度についても、同様に紛争原因の第1位になっています。

トラブルに巻き込まれてしまえば、精神的にかなりの苦痛を強いられることになりますし、賠償金などに発展すれば金銭的にも大きな負担となります。

重要事項説明書に記載されていることが解読できるよう、どんな内容が書かれているのか紹介していきますので、参考にしてください。

何が書いてある?記載内容を解読しよう

重要事項説明書を解読しよう

重要事項説明書は専門用語が多用されていますが、どんなことが記載されているのかが分かれば、解読も難しくありません。

国土交通省のホームページに、重要事項説明に書かれている内容について記載されていましたので、参考にしてください。

読むのが面倒な人は、後述でチェックポイントを紹介していきますので、こちらは読み飛ばしていただいて問題ありません。

・登記された権利の種類、内容等
・私道に関する負担
・都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限の概要
・用途その他の利用に係る制限に関する事項
・飲用水・電気・ガスの供給・排水施設の整備状況又はその見通し
・耐震診断の内容
・台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況
・代金、交換差金以外に授受される金額及びその目的
・契約の解除に関する事項
・損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
・手付金等の保全措置の概要(業者が自ら売主の場合)
・支払金又は預り金の保全措置の概要
・金銭の貸借のあっせん
・瑕疵担保責任の履行に関して講ずる措置の内容
・敷地に関する権利の種類及び内容
・共有部分に関する規約等の定め
・専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約等の定め
・専用使用権に関する規約等の定め
・所有者が負担すべき費用を特定の者にのみ減免する旨の規約等の定め
・修繕積立金等に関する規約等の定め
・通常の管理費用の額
・マンション管理の委託先
・建物の維持修繕の実施状況の記録

これだけのことが記載されているのですから、読むのが嫌になってしまう気持ちも分かります。

ただし確認を怠ったことでトラブルに発展してしまえば、必ず後悔します。

重要事項説明書のチェックポイントを紹介していきますので、最低限、その項目については確認し、少しでもおかしいと思ったら宅建業者に指摘しましょう。

重要事項説明書で売主・買主それぞれがチェックすべきポイント

重要事項説明書のチェックポイント

重要事項説明書を交付されたときの、売主と買主それぞれのチェックポイントを紹介していきます。

売主がチェックすべきポイント

重要事項説明書を交付されたら、以下の2点を確認します。

  • 記載内容に誤りがないか
  • 記載するべき事項が抜けていないか

売主に不利な事実を記載してマンション売買が中止になるのを懸念し、わざと記載するべきことを書かない悪質な不動産業者もいますので注意しなければなりません。

具体的には、瑕疵問題についての記載などが挙げられます。

瑕疵についての記載は入念にチェックしよう

瑕疵の説明図

瑕疵とは、物件の欠陥のことで、売主はすべての瑕疵をもれなく買主に告知することが義務付けられています。

瑕疵には、以下のように種類があります。

物理的瑕疵 雨漏りやシロアリ被害など
法律的瑕疵 物件に法律上の制限
環境的瑕疵 騒音や振動、嫌悪施設など
心理的瑕疵 その物件で誰かが死亡した事実など

瑕疵の内容によっては、買主が購入をやめてしまう場合もありますが、伝えずに売買契約を結ぶことはできません。

しかし買主が購入をやめてしまうと不動産業者は仲介手数料を受け取れないため、瑕疵を隠して売買契約を締結させようとする悪質な業者もいます。

売主から宅建業者に伝えてあったとしても、買主に伝わっていなければ告知義務違反となってしまい、責任を取らなければならなくなりますので注意してチェックしましょう。

売主が宅建業者と買主に伝えなければならない瑕疵については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

マンション売却時の告知義務はどこまで?【隣人トラブル・騒音問題】

マンション売却時の告知義務の範囲について説明しています。隣人トラブルや騒音問題、物件の瑕疵について正しく告知することでトラブルを未然に防ぐことができます。

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隠れた瑕疵に対する責任期間も大切

隠れた瑕疵に対する責任期間の記載があるかどうかも、しっかりと確認してください。

隠れた瑕疵とは:
売主と買主の双方が注意しても分からなかった物件の欠陥のこと

マンションを売買取引してから2ヶ月間は売主の責任となるよう取り決めるのが一般的ですが、ごく稀に責任期間についての記載がない場合があります。

責任期間について取り決めなかった場合、民法にしたがって「瑕疵発見後から1年以内」というのが売主の隠れた瑕疵に対する責任期間になってしまいます。

仮にマンションを売買してから20年経過したとしても、買主が瑕疵を見つけてから1年以内であれば、売主に瑕疵の責任を問われかねないということです。

瑕疵担保責任について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。

瑕疵担保責任はトラブルの元?マンション売却で「知らなかった」は通用しない!

中古マンションの売却では、瑕疵担保責任について避けて通ることはできません。期間や範囲、免責についてしっかりと知識を身につけておかないと、トラブルに巻き込まれ大変な思いをすることになります。給排水管の水漏れについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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買主がチェックすべきポイント

買主が重要事項説明書を手にしたときにチェックすべきポイントは、以下のとおりです。

  • 権利関係が明確になっているか
  • 物件の品質に問題がないか

たとえば抵当権が抹消されているかどうかや、所有者が取引相手の名前になっているかどうかは、チェックしておかないと後からマンションを失う事態になりかねません。

また事前に知らされていなかった瑕疵の記載がないかどうかも、気をつけて見てください。

もしも何か問題が発生したときのために、あらかじめ損害賠償額について取り決め、重要事項説明書に明記しておくことも大切です。

損害賠償額を決めておかないと、トラブルを終わらせるための損害賠償金であるにもかかわらず、妥当な金額がいくらなのかをめぐって新たな紛争を作りかねません。

抵当権…銀行から融資を受けたときに物件を担保とすること

不動産売買における重要事項説明書における注意点

重要事項説明書の注意点

重要事項説明書に記載された内容をチェックすることも大事ですが、以下の注意点にも留意してください。

  • 事前にコピーをもらう
  • 変更があった場合は新たな書面を作成してもらう
  • 宅建業者が違反している可能性がある
  • 説明を受けていないのに契約書にサインしない

それぞれ詳しく解説していきますので、参考にしてください。

事前にコピーをもらう

重要事項説明書の交付は、売買契約当日におこなわれるのが一般的です。

しかし、それでは重要事項説明書に記載された内容に誤りがないかどうか、調べる時間がありません。

事前にコピーをもらっておき、記載内容について確認しておきましょう。

あらかじめ記載内容を把握しておけば、理解できなかったり、分かったつもりになってしまったりする心配がありません。

不明点や疑問点についてまとめておき、質問できるようにしておきましょう。

変更があった場合は新たな書面を作成してもらう

重要事項説明書に誤りや納得のいかない内容があった場合は、その点を相手方と話し合ったうえで、宅建業者に新たな書面を作成してもらってください。

修正テープなどを使用して訂正をおこなうのは当然ながらNGですし、訂正印による修正も、後から書き加えたのではないかと疑われる要因となりますので、作り直してもらうのがベターです。

宅建業者が法令に違反している可能性がある

宅建業者が、法令に違反していないかにも注意しなければなりません。

違反するような宅建業者に、大切な資産を任せるのは危ないからです。

重要事項説明書において宅建業者に課せられているルールは、以下のとおりです。

  • 重要事項説明を省いてはいけない
  • 宅建建物取引主任者の資格を持っていなければならない(主任者証の提示義務あり)
  • 書面を交付して説明しなければならない
  • 事実を記載しなかったり、嘘の記載をしてはいけない

分からないことだらけのマンション売買では、どうしても宅建業者を頼りがちです。

しかし国土交通省の調べによって、平成28年度に法令に違反して処分を受けた宅建業者が、251業者にもおよんだことが分かっています。

その中には、重要事項の説明に関わる処分の事例もあります。

ルールを理解していなかった、あるいは知っていながら自分の成績のために違反した場合など、状況は様々だと思いますが、違反があったことは事実です。

上記のルールをしっかりと守って業務をおこなっているかどうかにも、注意しましょう。

重要事項説明義務違反に対する監督処分|公益社団法人全日本不動産協会

説明を受けていないのに契約書にサインしない

上述したように、宅建業者の中には法令に違反する業者もいます。

重要事項説明を省き、売買契約を締結させようとする悪質な業者もいますが、説明を受ける前に売買契約書にサインしてはいけません。

無知な売主・買主を狙って、重要事項の説明を省く業者もいますので、「重要事項の説明がまだです」としっかり主張しましょう。

管理人からの一言「重要事項説明書をしっかりチェックしてトラブルの種を摘み取ろう」

重要事項説明書は、専門用語が使われているうえに難しい言い回しで書かれていたりするため、素人がすぐに理解するのは難しい書類です。

だからこそ、事前に受け取って内容をチェックし、不明点や疑問点を徹底的になくす必要があります。

「難しい書類だから分からなくても仕方ない」と、理解できない点があってもスルーしてしまう人が多いのですが、それがトラブルの原因となります。

逆に言えば、売主と買主がしっかりと理解したうえで契約を締結すれば、トラブルのリスクを大幅に減らすことができるということです。

この記事を参考に、念入りにチェックしてトラブルの種を摘み取っておきましょう。