不動産売却によって譲渡所得(売却益)が生じた場合、ふるさと納税の上限額が増えます。

最近では、テレビや雑誌などで頻繁に取り上げられており、ふるさと納税という制度はすっかり馴染みのあるものになりました。

とはいえ、「どうやって利用するの?」「いくら納税するのが一番お得なの?」という疑問を抱いている人も多いと思います。

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この記事では、「ふるさと納税の仕組み」から「譲渡所得があるときの上限額の計算方法」「ふるさと納税をする流れと注意点」について紹介していきますので参考にしてください。

ふるさと納税とは?なぜ注目されているの?

ふるさと納税の画像

ふるさと納税とは、実質2,000円の自己負担だけで各自治体から様々な特典がもらえて、節税もできてしまうメリットの大きい制度です。

「年収の多い人が利用するもの」というイメージを持たれている人もいるかもしれませんが、年収200万円以上の人なら誰でも利用できる節税方法になります。

「利用するとお得」というより「利用しないと損」と思わせる仕組みになっており、多くの人から注目を集めています。

ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税の受入額と受入件数は年々、右肩あがりとなっています。

総務省のホームページに、ふるさと納税の利用状況について記載がありましたので参考にしてください。

平成28年度の実績は、約2,844億円(対前年度比:約1.7倍)、約1,271万件(同:約1.8倍)。

譲渡所得金額に応じたふるさと納税上限額の計算方法|シミュレーションしてみよう

ふるさと納税上限額の計算方法

不動産売却によって譲渡所得を得た場合、所得税と住民税が高くなってしまいます。

つまり、ふるさと納税による節税効果も高まるということです。

譲渡所得がある場合のふるさと納税上限額の計算方法は、以下のとおりです。

  1. 譲渡所得によって増額する住民税がいくらなのか計算する
  2. 給与所得にかかる住民税所得割額を算出する
  3. 合算してふるさと納税上限額を算出する

譲渡所得によって増額する住民税がいくらなのか計算する

まずは、譲渡所得によって増額する住民税がいくらなのか計算します。

そもそも譲渡所得が生じない場合は税金が課せられないため、ふるさと納税によるメリットもありません。

譲渡所得にかかる住民税の計算式は、以下のとおりです。

売却価格-(取得費+譲渡費用)×税率

取得費は、不動産を購入したときの金額を当てはめるのですが、建物部分の取得費は減価償却しなければならないという点に注意してください。

もしも不動産の購入代金が分からなければ、「売却代金×5%」が取得費になります。

税率については、所有期間が5年以内の場合は短期譲渡所得税率の9%を、5年超の場合は長期譲渡所得税率の5%を計算式に当てはめます。

減価償却費の計算方法など、譲渡所得について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。

短期譲渡所得税と長期譲渡所得税の違いは?計算方法をわかりやすく解説!

短期譲渡所得と長期譲渡所得の違いや計算方法について解説しています。具体例を用いてシュミレーションもおこなっていますので、はじめて不動産売却するという人でもわかりやすいと思います。特別控除についても紹介していますので、できるだけ節税したいという人は必見です。

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給与所得にかかる住民税所得割額を算出する

給与所得にかかる住民税所得割は、一律10%となっています。

所得控除後の給与所得が700万円の場合、「700万円×10%=70万円」となります。

住民税所得割…所得に応じて課税される住民税のこと。住民税は所得割額と全員に一律で課税される均等割額によって構成されている。

合算してふるさと納税上限額を算出する

譲渡所得にかかる住民税と、給与所得にかかる住民税所得割額を合算します。

合算した金額を以下の計算式に当てはめれば、ふるさと納税による控除上限額が算出できます。

寄付金額の上限=(合算した金額×20%)÷(100%-10%-所得税率×復興税率1.021)+2,000円

譲渡所得は分離課税で、給与所得は総合課税のため、本来であれば異なる所得税率を用いますが、譲渡所得があるときは総合課税の税率を使います。

所得税率表

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

寄付金額の上限を超える寄付をおこなうと、損をしてしまいますので注意してください。

土地や家屋を売ったあとにふるさと納税をする流れ

土地や家屋を売ったあとにふるさと納税をする流れ

「ふるさと納税の恩恵を受けられそうだけど、何をすれば良いのか分からない」という人も多いと思います。

ふるさと納税の手続きの流れは、以下のとおりです。

  1. 寄付金額の上限をチェックする
  2. 寄付する自治体を選ぶ
  3. 寄付金を支払う
  4. 受領証明書と特典を受け取る
  5. 確定申告をおこなう

まずは上述で紹介した計算式を用いて、寄付金額の上限を算出します。

上限額が把握できたら、受けたい特典などをチェックして寄付する自治体を決め、納税上限額内で寄付をします。

どこに寄付すれば良いのか分からない人は、インターネットで「ふるさと納税 ランキング」と検索すると人気の自治体がどんな特典を用意しているのか分かりますので、チェックしてみると良いでしょう。

寄付をすると受領証明書と特典を受け取れるので、最後に確定申告をおこない、手続きは完了です。

「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の適用は受けられない

不動産売却をした場合、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の適用を受けることはできませんので注意してください。

ふるさと納税ワンストップ特例制度は、2015年4月1日に制度改正によってできた特例で、一定の条件をクリアすれば確定申告をしなくても良いというものです。

ふるさと納税ワンストップ特例制度の適用条件は、以下のとおりになります。

ワンストップ特例制度の適用条件
  • 寄付した自治体が5団体以内であること
  • もともと確定申告が不要な人
  • 寄付をするときに納税先の自治体に適用の申請書を提出すること
  • 年収が2,000万円以下であること
  • 給料や退職金以外の所得が20万円以下であること

不動産売却をすると、「給料や退職金以外の所得が20万円以下であること」という条件に適合しません。

また譲渡所得が生じた場合、ふるさと納税を利用するかどうかにかかわらず、確定申告は必要になりますので覚えておきましょう。

確定申告について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。

マンション売却の確定申告は必要?不要?申告方法と必要書類を解説

マンション売却をして譲渡所得がなければ確定申告は不要?損失があっても確定申告が必要な理由は?必要書類や申告方法について説明しています。

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不動産売却時にふるさと納税を利用する注意点

ふるさと納税を利用するときの注意点

不動産売却時にふるさと納税を利用する場合、以下の点に注意してください。

  • 譲渡所得がなければ節税効果は見込めない
  • 上限額内で納税する
  • 控除を受けたい人の名義で寄付をする

譲渡所得がなければ節税効果は見込めない

売却益がなければ、そもそも控除できる税金がないのですから、ふるさと納税をしてもメリットはありません。

上述でも紹介しましたが、売却益は以下の計算式で算出してください。

売却代金-(取得費+譲渡費用)

売却益がなければ、ふるさと納税上限額は増えないということです。

ただし譲渡所得の有無に関係なく、年収が200万円以上あればふるさと納税をするメリットがありますので、ぜひ利用してみましょう。

上限額内で納税する

ただ自治体に寄付すれば良いというわけではなく、所得に応じた上限額内で利用することで、ふるさと納税のメリットを最大限活かせます。

上限金額を超えて寄付してしまうと自己負担額が2,000円を超え、損をしてしまいますので注意してください。

ふるさと納税制度を活用して節税するのであれば、しっかりと寄付金額の上限をチェックすることが大切です。

控除を受けたい人の名義で寄付をする

ふるさと納税は、控除を受けたい人の名義で寄付をおこないましょう。

ふるさと納税の支払い方法は、クレジットカード払いやキャリア決済、コンビニ決済、Pay-easy(ペイジー)のいずれかです。

たとえば妻が夫の税金を減らすためにふるさと納税をする場合、夫名義のクレジットカードから支払わないといけません。

名義を間違えてしまったら、寄付をした自治体に連絡して修正しましょう。

管理人からの一言「いくら寄付するのが一番お得か考えることが大切」

ふるさと納税を利用するときに最も大切なのが、いくら寄付するのが一番お得かということです。

納税上限額を正しく把握し、賢く活用してください。