マンション売却時に火災保険を解約するタイミング

マンション売却時に戻ってくるお金の一つに、「火災保険の解約返戻金」があります。

火災保険はマンションを売却しても自動的に解約されることはなく、自分で解約手続きをおこなう必要があります。

マンション売却において火災保険の解約という細かい部分にまで気が回らない人も多いのですが、必要のない保険にお金を払い続けるのはもったいないので、しっかりと解約手続きをしましょう。

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この記事では「マンション売却時に火災保険をやめるタイミング」から「解約返戻金がいつ戻ってくるのか」について紹介していきます。

マンション売却時に火災保険をやめるタイミング

マンション売却時に火災保険をやめるタイミングは、物件の引渡しが完了してからです。

もしもマンションを買主に引渡すまでに火災などが発生すれば、売主が被害を負担することになります。

既に引っ越していて売却するマンションに住んでいない場合でも、台風や地震によって破損したり、隣人が火事を起こして売主の部屋まで燃えてしまう、ということがあるかもしれません。

隣人の火事のもらい火によって売主の部屋まで被害を受けたとしても隣人は弁償してくれませんので、しっかりと火災保険をかけておく必要があるのです。

数日の間だとしても保証が何もない期間があるのは非常に危険ですので、万が一のことを考えて決済日までは火災保険をかけ続けておくのが賢明でしょう。

雨漏りなどは火災保険で直せる可能性がある

火災保険の種類や付加している特約などによっては、雨漏りや破損、外部からの物体落下等による被害を補償してもらえる可能性があります。

マンションに台風や水災などによる破損箇所があり、売却前に補修しようと思っているのであれば、火災保険を解約する前に加入内容を確認してみてください。

保険金が支払われるまでに時間がかかる場合もありますので、確認は早めにおこないましょう。

補修費用を保険でまかなうことができれば、マンション売却にかかる費用を減らすことができます。

マンション売却時に火災保険を解約するといつ返金される?

火災保険の解約手続きをしてから売主に解約返戻金が振り込まれるまでの期間は、だいたい1週間を目安にすると良いと思います。

ただし「解約の連絡をしてから1週間」ではなく、「解約請求書を保険会社が受理してから1週間」ですので、間違った認識をしないように気をつけましょう。

火災保険の解約手続きの流れ
  1. 保険会社に解約したい旨を伝える
  2. 解約請求書を送ってもらい、記入のうえ返送
  3. 解約請求書を保険会社が受理
  4. 解約返戻金が売主の口座に振り込まれる

書類に不足があったり記入漏れがあったりすると受理されず、再度、保険会社とやり取りをしなければなりません。

その場合、解約返戻金の入金も遅れることになりますので、注意してください。

火災保険の解約日は指定できる

火災保険の解約を保険会社に申し出る際、解約日を指定することができます。

解約日を指定しておくとその日で解約返戻金が計算されますので、無駄がありません。

マンション売却の決済日が決まったら保険会社に解約日を伝え、書類を送付してもらっておくとスムーズでしょう。

マンション売却時に戻ってくる火災保険の解約返戻金を計算する方法

火災保険の解約返戻金は、未経過期間の保険料を返してもらうという仕組みになっているため、支払い方法が月々払いの場合は解約返戻金は発生しません。

年払い、または長期一括払いで払い込んでいる場合は解約返戻金を受け取ることができますので、それぞれの計算式を確認してください。

保険料を1年ごとに払い込んでいる場合

火災保険の保険料を1年ごとに払い込んでいる場合の解約返戻金は、「年間保険料×(1−既経過期間に対する係数)」で算出することができます。

既経過期間は保険証券に始期日が記載されているので、そちらを参考に計算してください。

既経過期間の考え方

例)1月1日から1年間の契約で5月20日に契約内容を変更した場合

1ヶ月に満たない期間は1ヶ月とするため既経過期間は5ヶ月

既経過期間に対する係数については、以下のとおりです。

既経過期間 係数 既経過期間 係数
1ヶ月まで 0.0833 7ヶ月まで 0.5833
2ヶ月まで 0.1666 8ヶ月まで 0.6666
3ヶ月まで 0.2500 9ヶ月まで 0.7500
4ヶ月まで 0.3333 10ヶ月まで 0.8333
5ヶ月まで 0.4166 11ヶ月まで 0.9166
6ヶ月まで 0.5000 12ヶ月まで 1.0000

既経過期間に対する係数は保険会社ごとに異なりますが、どの保険会社もだいたい同じような係数を設定していますので、参考にしてみてください。

保険料を長期一括払で払い込んでいる場合

長期契約で火災保険に加入して一括払いで保険料を支払った場合は、「長期一括払保険料×未経過期間に対する係数」で解約返戻金を算出できます。

長期一括払の未経過期間に対する係数は、下記のとおりです。

既経過期間 3年契約 5年契約 10年契約
1年経過 62% 77% 88%
2年経過 31% 58% 79%
3年経過 0% 38% 69%
4年経過 19% 60%
5年経過 0% 50%
10年経過 0%

上記の係数は保険会社ごとで若干異なりますので、正確な解約返戻金を知りたい場合は加入している保険会社に問い合わせてください。

マンション売却時に火災保険を権利譲渡することはできる?

マンション売却時に、火災保険を権利譲渡することは可能です。

ただし権利譲渡の手続きをおこなっていなかった場合は、マンションを引き渡した時点で火災保険の効力は失われてしまいます。

手続きが遅れると、保証が何もない期間を作ってしまうことになる、ということです。

火災保険を権利譲渡する場合はマンションの所有権移転登記をする前に保険会社へ連絡し、名義変更の手続きについて確認しておきましょう。

売主にとっては解約してしまったほうが良い

売主にとっては、火災保険は権利譲渡せず解約してしまったほうが良いと思います。

なぜならマンション売却時に火災保険の権利譲渡をすると、買主とのやり取りが増えて負担となるうえに、解約返戻金が受け取れなくなるからです。

「買主が身内だから手間や負担を減らしてあげたい」ということでしたら、上述でも説明しましたが決済日前に手続きをすることだけは忘れないでください。

保険会社によってはマンション売買による名義変更ができないので注意

保険会社によっては、マンション売買による名義変更を認めていない会社もあります。

安易に買主と火災保険の権利譲渡について取り決めてしまうと、名義変更ができずトラブルになる可能性があるということです。

マンションの所有者を変更して継続できるのかどうか、加入している保険会社に確認しておきましょう。

管理人からの一言「火災保険の解約は売主自身で忘れずにおこなう」

マンション売却時に火災保険の解約まで気が回らない人も多いのですが、しっかりと手続きをしておかないと、効力を持たない保険に対して保険料を払い続けることになります。

火災保険の解約は、日にちをさかのぼって解約日を指定することはできませんので、マンションを売却してから日にちが経っていたとしても、それまでの保険料は諦めるしかなくなります。

後で悔しい思いをすることがないよう、火災保険の解約手続きは忘れずにおこないましょう。