マンションを売却する際、売主は物件のことで知っている事実を告知書に記入して不動産会社に提出します。

その際、告知義務の範囲や期間はどこまでなのか、隣人トラブルや騒音問題については告知したほうが良いのか、迷うと思います。

もしかすると、「できれば告知したくない」と思うようなこともあるかもしれません。

今回は告知義務の範囲や期間についてと、該当する事項について解説していきます。

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国土交通省の調べによると不動産取引のトラブルのうち46.6%が告知義務に関するものであり、売主にとって最も厄介な事柄になりますので、ぜひこの記事を参考にしていただき、トラブルのない気持ち良い取引をしましょう。

告知義務とは?

告知義務

売主はマンションを売却する際に、物件の「瑕疵(欠陥)」について、買主に伝えなければなりません。

このことを「告知義務」といいます。

瑕疵には4種類あり、以下のように分けられます。

物理的瑕疵 雨漏り、シロアリ被害などの物質的欠陥がある場合
法律的瑕疵 使用収益に法律上制限がある場合
環境的瑕疵 工場の騒音や振動など、周辺環境に問題がある場合
心理的瑕疵 焼死、自殺や殺人、孤独死などの心理的嫌悪感がある場合

告知義務違反は深刻な問題に発展する

告知義務違反は深刻な問題に発展する

売主が物件の瑕疵について知っていながら告知しなかったり、不実告知をおこなったりした場合、契約解除や損害賠償義務等の法的責任を負担することになります。

なぜなら不動産取引は、お互いの信頼を裏切らないようにするのが大前提であり、事実を隠す行為は信頼関係を壊す行為だからです。

また、すでに買主が知っていることについて告知義務はありませんが、後々「言った、言わない」とならないために書面にしておいたほうが良いでしょう。

告知義務の範囲はあいまいだからこそ気をつけないといけない

告知義務を果たそうとする際、一体どこまで、またいつまでの瑕疵について告知すれば良いのか迷うと思います。

しかし、それについて明確には定められていません。

告知義務の範囲や期間は、その不動産取引に影響があったかどうかで判断されるため、物件の状況や買主の感じ方によって異なるからだと考えられます。

一概に言えないからこそ、売主の自己判断で「告知しなくても大丈夫だろう」と考えるのは非常に危険であり、知っている事実をすべて告知することがトラブルなくマンションを売却する最善の方法です。

国土交通省は告知義務に関するトラブルを減らすために、「物件状況確認書(告知書)」の参考資料を提供しており、将来の紛争防止に役立てることができます。

告知義務を果たすことで自分の身を守る

告知義務を果たすことで自分の身を守る

売主が問題ないと判断して告知しなかったことでも、買主が詐欺だと主張すれば、売却からの年数に関係なく賠償責任が生じる可能性があります。

告知することで不利になるような瑕疵でも、その後トラブルになることや訴えられることに怯えて暮らす生活を考えれば、全て告知したほうがすっきりします。

また、それが自分の身を守ることにもなるのです。

隣人トラブルはなかったか思い出す

たとえば「子供の声がうるさい」と隣人から苦情があり、揉めたことがあった場合、子供がいる買主に対してそのことを伝えなければ、後にトラブルになることが容易に想像できます。

また買主が老夫婦の場合も、一見すると関係ないように思うかもしれませんが、孫がよく遊びにきたり、同居の予定があったりと、無関係ではない可能性があります。

故意に隠したわけではなくても、売主の判断で隣人からのクレームを言わなかったのですから、老夫婦から売主に対して損害賠償を請求されてもおかしくありません。

実際にその請求が裁判で認められるかどうかはケースバイケースなので一概には言えませんが、揉め事になれば時間や労力を奪われます。

このような事態を回避するためには隣人トラブルの有無を思い出し、きちんと告知することが大切です。

騒音問題で悩まされたことはないか思い出す

マンションに住む以上、上下左右の住人の生活音が気になったとしてもお互い様の精神で暮らしていく必要があり、我慢する人がほとんどではないでしょうか。

しかし騒音は、不眠症になってしまったり精神的苦痛を受けたりする深刻な問題です。

人によって苦痛に感じる音のレベルは違いますので、少しでも騒音があれば告知しておくことをおすすめします。

心理的瑕疵物件であることは最も隠してはいけないこと

心理的瑕疵とは、対象物件自体や周辺環境に問題はないが、その物件に住むにあたって心理的嫌悪感がある場合のことをいいます。

建物の不具合ではなく、人それぞれの感覚によって左右される心理的瑕疵は、告知するべきかどうかの判断が極めて難しい問題です

売主の所見で告知してしまうと深刻なトラブルになりかねませんので、気を付けてください。

殺人事件が起こった物件であることは時間が経過していても告知する

その物件で殺人が起こった場合、告知するべきなのは明白です。

残虐な事件であった場合、その告知義務は何十年と続くこともありますので、事件から時間が経っていたとしても告知しましょう。

自殺があったことを自己判断で隠してはいけない

自殺の場合も、心理的瑕疵として告知する義務があります。

この場合に難しいのは、事故物件として自殺があったマンションを購入し、その物件に住んだのち売る場合、告知する義務はないと判断される可能性があることです。

ただし自己判断で告知しないのはリスクがありますので、仲介業者へ必ず相談しましょう。

親や家族が病死した場合も告知するのがベター

親や家族が亡くなった原因が自殺などではなく病気だった場合は、告知する人が少ないようです。

しかし人によって感覚は異なり、嫌悪感や恐怖感を覚える買主もいますので、厄介な問題となります。

全日本不動産近畿流通センターは、次のように注意喚起しています。

人の死について、不動産賃貸借契約における不告知(告知義務違反)を問われた裁判例は多数ありますが、特段の事情を考慮された判例を除き、自殺や殺人事件、火災事故などで概ね2xA軍年を経過するまではほぼ告知義務が肯定されており、最低経過年数としての裁判所の考え方を抑えておきましょう。

また病死といっても、発見までに相当日数が経過したために遺体が腐乱していた場合や、大量の吐血によって汚損の状態が極端にひどかったというものは、必ず告知するべき事項となりますので注意してください。
小さな火事でも告知するべき

過去に火事があった場合の住宅価値の減少は、殺人や自殺などと比べると少ないですが、やはり縁起が悪いと感じる人が多いようです。

たとえば過去に小さな火事があり、損傷した部分をリフォーム等で修理したことがある場合、耐久性や安全性に問題がなかったとしても、通常の経年変化を超える損傷があるものと考えられます。

売主や売主の家族が火を消し止めた場合であっても、買主の購入の意思判断を左右するものとされる可能性があるため、告知したほうが良いでしょう。

公益財団法人不動産流通推進センターに寄せられた質問で、参考となる回答がありましたので紹介します。

売買契約において、ぼやを起こした建物は、修理やリフォームをしたことで住宅としての性能に支障がなければ、売主は、買主に告知する必要はないか。
売主は、たとえ住宅の性能に支障がないとしても、ぼやがあった事実について告知する必要がある。告知しなかった場合、住宅の隠れたる瑕疵(心理的瑕疵を含む)にあたるとされることがあれば、売主は買主に対して損害賠償責任を負うことがある。

管理人からの一言「マンション売却を成功させたければ告知義務を果たすべき」

マンションを売却するのに不利になるような告知は、できるだけしたくないというのが本音だと思います。

しかし購入者に事実を伝えることで「購入をやめてしまうかもしれない」、「減額されてしまうかもしれない」と思うことは、その事実が取引に影響を及ぼすことを無意識のうちに自認しているということになります。

物件の瑕疵を気にするか気にしないかは、売主ではなく買主が判断することですので、売主は事実を隠すことなく、告知義務を果たしましょう。

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