青色申告

不動産所得にかかる税負担を減らす方法はないの?」という人のために作られたのが、青色申告です。

確定申告には青色申告と白色申告の2種類あることは、多くの人が知っているのではないでしょうか。

とはいえ、このような疑問を抱いている人も多いと思います。

  • 青色申告と白色申告って何が違うの?
  • 青色申告するための条件は?

この記事では、「青色申告の適用条件とメリット」から「必要経費に算入できるもの」について、わかりやすく解説していきます。

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少し手間はかかりますが、青色申告することで税負担を軽くできるので、ぜひ今年からおこなってみてください。

不動産所得は青色申告するのがベター|条件クリアは意外とかんたん!

青色申告

不動産所得がある人は、青色申告で確定申告するのがベターです。

理由は明白で、白色申告よりも青色申告のほうが税負担を減らせるというメリットがあるからです。

(いくら税負担を減らせるかについては後述で詳しく解説します。)

青色申告して税負担を減らすためには、いくつか条件がありますので確認しておきましょう。

青色申告の適用を受けるための5つの条件

不動産所得を青色申告するための条件は、以下のとおりです。

  • 不動産所得、事業所得、山林所得のある人
  • 1年間の収入金額と必要経費の記帳および関連する書類を保管しておくこと(原則7年間)
  • 青色申告の適用を受けたい年の3月15日までに税務署に青色申告承認申請書を提出すること
  • 新規開業してから2ヶ月以内に税務署に青色申告承認申請書を提出すること
  • 業務を相続してから2ヶ月以内に税務署に青色申告承認申請所を提出すること

青色申告制度|国税庁

不動産所得の定義を勘違いしている人もいますが、土地や建物を賃貸にして得た家賃収入を不動産所得といいます。

不動産を売却して得た代金は不動産所得ではなく譲渡所得のため、青色申告の対象にはなりませんので注意してください。

マンションなどの不動産を売却したときの確定申告については、下記の記事を参考にしてください。

マンション売却後に確定申告は必要?不要?申告方法と必要書類を解説

マンション売却後に確定申告が必要か、不要かについて解説しています。基本は「譲渡所得なし=確定申告しない」ですが、損失があっても確定申告したほうが良いケースもあります。必要書類や申告方法まで詳しく紹介していますので参考にしてください。

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また確定申告時に提出はしませんが、帳簿の作成が必須になる点はしっかりと覚えておきましょう。

帳簿を作成しよう!複式簿記による記入がおすすめ

青色申告をおこなうためには、売上や経費を記入する帳簿および貸借対照表と損益計算書を作成する必要があります。

帳簿のつけ方には簡易簿記複式簿記の2パターンありますが、より多くの控除を受けたければ複式簿記による記帳が必須になります。

受けられる控除の金額
簡易簿記 10万円
複式簿記 65万円

白色申告と比べれば簡易簿記でも十分にメリットはありますが、より多くの控除を受けて所得税を減らするために、複式簿記による記帳をおすすめします。

青色申告と白色申告の違いは?

青色申告と白色申告の違いを表にまとめましたので、参考にしてください。

青色申告 白色申告
特別控除 あり(65万円or10万円) なし
事前申請の要否 必要 不要
帳簿作成の義務 あり なし
赤字の繰越 できる(3年間) できない
専従者給与控除 あり なし

メリットが多いのは断然!「青色申告」

青色申告をおこなうと、事前申請や帳簿作成などの義務を負う代わりに、青色申告特別控除の適用によって65万円または10万円の控除を受けることができます。

また赤字の繰越や専従者給与控除(従業員への給与を経費算入できる)など、他にも様々なメリットがあるのが特徴です。

手間はかかってしまいますが、特典によって税負担を減らせるため、不動産所得がある人は青色申告をおすすめします。

事業的規模が小さくても青色申告できる?65万円or10万円控除の判定基準は?

アパート

事業的規模が小さくても、青色申告することはできます。

ただし事業的規模によって65万円控除を受けられるか、10万円控除になるか判定されます。

事業的規模の判定基準は、以下のとおりです。

・貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。
・独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

つまりアパートなら10室以上貸している人、一軒家なら5軒以上貸している人は、65万円控除の適用を受けることができるということです。

不動産業界では、この判定基準を「5棟10室基準」といいます。

また駐車場を50台以上貸している、または駐車場が建物になっている場合も、65万円控除を利用することができます。

ただし駐車場の貸付による確定申告は少し複雑で、盗難などが駐車場内でおこったときに管理人が責任を負うことになっている場合は、不動産所得ではなく事業所得として確定申告することになりますので注意してください。

サラリーマンでも青色申告できる?

給与所得のあるサラリーマンでも、青色申告をすることができます。

とはいえサラリーマンが事業的規模で経営をおこなっているケースはほとんどないため、「家賃収入がそんなに多くないから」という理由で最初から白色申告を選ぶ人も少なくありません。

事業的規模が小さくても10万円控除は受けられる

事業的規模の条件が満たない場合であっても、10万円控除は受けられます。

10万円控除の特典を受けられるだけでも税負担は削減できますので、不動産所得が少しでもあるのであれば、青色申告で確定申告したほうが良いでしょう。

不動産所得にかかる税金の計算式|必要経費に算入できるものは?

不動産所得にかかる税金の計算式

不動産所得を青色申告した場合にかかる所得税額は、以下の計算式で算出します。

(収入-必要経費-青色申告特別控除65万円or10万円)×所得税率

収入に含まれるもの

  • 家賃収入
  • 共益費
  • 礼金(敷金は収入に含まれない)

必要経費に算入できるもの

  • 管理費
  • 修繕費
  • 租税公課(固定資産税や不動産取得税、登録免許税、印紙税など)
  • 損害保険料(その年に支払った火災・地震保険料)
  • ローン金利
  • 減価償却費
  • 専従者給与(従業員への給与)
  • 税理士費用

所得金額に乗じる所得税率

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

白色申告の場合は、専従者給与を経費算入したり、青色申告特別控除を受けることはできません。

実際にどれくらい税額に違いが生じるか、具体例を用いて計算していきますので参考にしてください。

青色申告でどれくらい所得税を節約できる?

青色申告でどれくらい所得税を節約できる?

不動産所得を青色申告した場合、白色申告に比べてどのくらい税金を節約できるのか気になる人も多いと思います。

サラリーマンの場合、確定申告すると還付金を受け取れるのが一般的ですが、不動産収入があると所得税が上乗せされることになりますので注意してください。

今回は以下の条件のもと、それぞれいくらの所得税が課税されるのか計算していきます。

計算の前提条件
  • 給与所得…600万円
  • 収入…260万円(家賃収入240万円、更新料20万円)
  • 経費…125万円(減価償却費90万円、固定資産税15万円、ローン利息10万円、修繕費10万円)

白色申告した場合

白色申告の場合に課税される所得税は、以下のとおりになります。

収入260万円-125万円=不動産収入135万円

給与所得600万円+不動産収入135万円=課税所得金額735万円

課税所得金額735万円×税率23%-控除額636,000円=1,054,500円

青色申告した場合

青色申告10万円控除を適用して、計算していきます。

給与所得600万円+(収入260万円-経費125万円)-青色申告10万円控除=課税所得金額725万円

課税所得金額725万円×税率23%-控除額636,000円=1,031,500円

青色申告にすることで2万3千円の節約!

今回の例では、白色申告と青色申告の場合で所得税額に2万3千円の差が生じました。

申告方法を変えるだけで数万円も節約できるのですから、青色申告しないと損だと思います。

もしも赤字経営だった場合、青色申告であれば3年間まで繰越せるというメリットもありますので、「白色申告でいいや」と思う前に必ず計算し、いくら節約できるのかチェックしておきましょう。

提出書類は「青色申告決済書」と「確定申告書B」

青色申告の適用を受けるための必要書類

青色申告の適用を受けるための必要書類は、以下のとおりです。

  • 所得税青色申告決算書(損益計算書、損益計算書の内訳、賃借対照表のセット)
  • 確定申告書B

青色申告決済書の書き方については、国税庁のホームページに詳細が記載されていますので参考にしてください。

1年間の収入金額と必要経費を記入した帳簿と、領収書や請求書などの関連書類については確定申告時に提出する必要ありません。

ただし税務署から要請があった場合に提出することになるため、大切に保管しておきましょう。

保管期間は、原則7年となっています。

事前に青色申告承認申請書の届出が必要

上述しましたが、青色申告をおこなうためには、適用を受けたい年の3月15日までに青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があるので注意してください。

つまり1年前に申請手続きをしておく必要があり、2019年分を青色申告したい場合、2019年3月15日までに届出をしなければならないということです。

管理人からの一言「不動産所得がある人は青色申告がベター」

不動産所得がある人は、白色申告よりも青色申告がベターです。

自分で手続きをおこなうのが難しければ、税務署や市役所にいけば教えてもらえますので、相談にいってみてください。

少しの努力で、数万円もの税金を節約できます。