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「アパートがいくらで売れるか知りたい」「税金と費用についても把握しておきたい」という人も多いと思います。

売却価格については「買った時に〇〇円だったから、今なら△△円くらいかな?」というだいたいの目安を持っているかもしれませんが、実際に売却を検討するのであれば具体的な金額が知りたいですよね。

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この記事では、「アパートの売却相場」から「アパート売却にかかる税金と費用の節約方法」について紹介していきます。

アパートの売却相場は収益還元法で計算できる!

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アパートがいくらで売れるかを計算するのは難しいと思われているかもしれませんが、収益還元法を使えば素人でも簡単に売却相場を算出することができます。

収益還元法とは、アパートの収益性に着目して、今後どれくらいの採算性が見込めるかを加味したうえで売却相場を計算する方法です。

収益還元法によって売却相場を求める計算式は、以下のとおりになります。

売却相場=純収益÷表面利回り
純収益 総収入(1年間の家賃収入) – 経営にかかった費用
表面利回り 純収益 ÷ 物件を購入したときの金額

ただし容積率オーバーの物件や再建築不可物件、店舗付きなどの特殊な要因がある物件は、通常より評価額が低くなりますので注意してください。

少なくとも10〜20%は値下げしないと、買い手は現れないでしょう。

不動産会社に査定してもらう

収益還元法でだいたいの売却相場を把握したら、不動産会社に査定してもらいましょう。

収益還元法で算出できるのは、あくまでも売却相場の目安でしかありません。

同じようなスペックの物件であっても、立地や築年数、誰をターゲットにするかによって価格に差が生じます。

また査定額にズレが生じる大きな要因として、不動産会社の営業力も挙げられます。

たとえば営業力のある不動産会社なら、査定依頼した時点でその物件を紹介する購入者のリストアップをおこない、攻めた査定価格を出してくれます。

買い手がつく自信があれば、強気の金額を提示することができるからです。

反対に、売却する自信がない不動産会社は、査定額も消極的になります。

営業力のある会社は不動産一括査定サイトで見つかる

営業力のある不動産会社を見つけたほうが良いと分かってはいても、どうやって探せば良いか分からない人も多いと思います。

不動産屋には得意不得意があるため、アパートの売却を得意とする不動産業者を見つけることから始める必要があります。

得意分野の画像

アパートの売却に強くない不動産業者に売却依頼してしまうと、相場より安く売却されてしまうおそれがありますので注意してください。

最近では本などでも紹介され、利用者が急増しているため知っている人も多いと思いますが、不動産一括査定サイトなら物件の基本情報を入力するだけで、アパートの売却にぴったりの業者を紹介してもらえます。

素人が不動産会社の得意分野を見極めるのは難しいため、こういったサービスは積極的に利用するべきです。

不動産一括査定サイトについては、下記の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

不動産一括査定サイト大手12社を徹底比較!おすすめサイトから選び方まで解説

不動産一括査定サイトを利用すれば、物件がいくらで売却できるか効率的に調べられるだけでなく、質の良い不動産会社にも出会えます。できるだけ好条件で売るためには、サイト選びが重要。不動産のプロである管理人が、おすすめのサイトと選び方のポイントを解説していきます。

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古いアパートを売却する手順

古いアパートを売却する手順

実際にアパートの売却活動を進めていくための流れについて、紹介していきます。

物件のだいたいの相場を把握する

上述で紹介した収益還元法を用いて、アパートの売却相場をだいたい把握しておきます。

無知のままだと、不動産会社がおこなった物件の見立てに対する判断基準がありません。

自分が所有するアパートなのですから、不動産のプロとはいえ、不動産業者に丸投げするのはやめましょう。

査定してもらって売却価格を確認する

不動産会社に査定依頼して、売却相場の精度を高めます。

このとき、不動産会社によって査定額にズレがあるため、必ず複数社に査定依頼することが大切です。

「金額が違う見積書を集めても、迷ってしまうのでは?」と思われる人もいるかもしれませんが、いくつかの見積もりを集めれば、正しい金額を見極める目を養えますので安心してください。

仮に迷ったとしても、高く売れるチャンスをスルーしてしまう可能性があることを考えれば、何社かに査定依頼したほうが良いのは言うまでもありません。

住人の取り扱いをどうするか決める

アパートを売却する際、そこに住んでいる入居者をどうするか考えなければなりません。

当然ながら住人がいたまま売却することも可能であり、そのほうが売却価格は高い傾向にあります。

ただし入居率があまりにも低い場合、立ち退いてもらってから売ったほうが良いケースもあります。
住人に立ち退いてもらうことにはトラブル発生のリスクがあるのはもちろん、立退料などの費用もかかりますので、不動産会社と相談しながらどうするか決めましょう。

不動産業者と媒介契約を結ぶ

担当者の誠実さや知識量、営業力などを比較したうえで、媒介契約を結ぶ不動産業者を選びます。

査定額とその根拠、また住民をどうするかを含めた売却戦略についての回答の仕方で、不動産業者の良し悪しが判断できると思います。

媒介契約には、一般媒介契約と専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類あるため迷われるかもしれませんが、専任媒介契約を結ぶのがベターです。

それぞれ一長一短ありますが、不動産流通推進センターの調査によると、専任媒介契約による成約報告率が最も高いからです。

取引態様 成約報告率
専属専任媒介 22.9%
専任媒介 15.3%
一般媒介 5.1%

売却活動をおこなう|飛ばし・抜き行為に注意

不動産業者と媒介契約を結んだら、本格的に売却活動が始まります。

基本的に売却活動は不動産業者がおこないますが、売主自身もレインズに物件が登録されているか確認したり、広告に載せるマイソクのチェックなどはするべきです。

なるべく不動産業者に丸投げせず、売却活動に参加するよう心がけましょう。

また他の不動産会社から物件を取り扱わせて欲しいという旨の連絡が入ることがありますが、そのような連絡をしてくる不動産業者は質が悪いので無視してください。

「飛ばし」「抜き」という行為で、不動産業界で最も忌み嫌われていることです。

あまりにもしつこい場合は、媒介契約を結んでいる業者に相談して対処してもらってください。

買主と売買契約を締結する

買主が現れたら、売買契約を締結します。

不動産売買は先着順ではないため、もしも購入希望者が複数人いる場合には、より高い価格で購入してくれる人と売買契約を結びましょう。

すでに購入資金が整っている人がいれば、確実に売却するために、優先順位を変えても良いかもしれません。

物件を引き渡す

売買契約を結んだら、次はいよいよ物件の引き渡しです。

引き渡すための準備に不備があると物件を引き渡すことができず、最悪の場合、契約解除による違約金が発生する事態になりかねませんので注意してください。

物件を引き渡すための準備
  • 権利証や登記識別情報の有無の確認
  • 抵当権抹消登記の準備を銀行へ依頼する
  • 鍵を1つ残らず揃えておく
  • 公共料金の名義変更

賃貸アパートを売るときにかかる税金と費用

アパートを売るときにかかる税金と費用

賃貸アパートの売却にかかる税金と費用は、以下のとおりです。

譲渡所得税 譲渡収入-(取得費+譲渡費用)×税率
消費税 売却代金×8%
登録免許税 数千円から数万円
印紙税 金額によって5千円、1万円、3万円
仲介手数料 売却代金×3%+6万円
全額繰り上げ返済手数料 数千円から数万円(金融機関によって異なる)
要返還敷金 入居者から預かっている敷金

不動産を売ったときにかかる税金と費用について詳しく知りたい人は、下記の記事をそれぞれ合わせてご覧ください。

マンション売却でかかる税金はいくら?【計算方法と減価償却について】

マンション売却でかかる税金はいくらなのか、計算方法をわかりやすく解説しています。減価償却のやり方から具体的なシミュレーション例、知っておかないと損をする税制優遇についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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マンション売却でかかる諸費用を解説!売却時に「戻ってくるお金」も把握しよう

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アパート売却時にかかる税金の中で、節約できる可能性のある譲渡所得税について、掘り下げて解説していきます。

譲渡所得税は「1,000万円の特別控除」で節税できる

アパートを売却したことによって利益が生じた場合、譲渡所得税が課せられます。

譲渡所得税は、不動産売却時にかかる税金の大半を占めており、節約できれば納税額を大幅に抑えることができます。

居住用不動産においては、「3,000万円の特別控除」という大きな節税効果のある特例が用意されていますが、この特例は投資用不動産には適用されません。

しかし投資用不動産にも、「1,000万円の特別控除」があります。

1,000万円の特別控除とは、平成21年、22年にアパートを購入した人が利用できる特例です。

売却益を最大1,000万円までなかったことにしてもらえるので、適用を受けることで数十万円から数百万円もの節税になります。

適用要件に該当する人は、確定申告で適用の申請をおこないましょう。

平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除|国税庁

アパートを売却するときの必要書類

アパート売却の必要書類

アパートを売却するときの必要書類は、以下のとおりです。

  • 権利証、登記識別情報
  • 実印、印鑑証明書
  • レントロール
  • 経費明細
  • 固定資産税公課証明または納税通知書
  • 建築確認通知書、検査済証のコピー
  • 建築図面
  • 購入時の売買契約書

必要書類に不備があると、アパートが売却できなくなってしまうかもしれません。

きちんと必要書類が揃っているかどうか、念入りに確認しましょう。

管理人からの一言「アパートの売却は出口戦略が重要」

アパート売却は、出口戦略が重要になります。

下記の記事では投資用マンションに着目して、売却するタイミングや高値売却のコツなどを紹介していますが、アパート売却にも通ずるものがありますので、ぜひ合わせてご覧ください。

投資用マンションを売却するベストタイミングは?税金はいくらかかる?

投資用マンションを売却するタイミングと税金・費用、売却方法について解説しています。売り時を見極め、売却損を出さないためには、不動産の現状をしっかりと把握することが必須になります。赤字物件でも高く売ることは可能ですので、諦めずに戦略を練って売却に挑みましょう。

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イエウールで一括査定したら310万も高くなった

管理人がイエウールで自宅マンションを一括査定したところ、街の不動産会社より310万円も高い査定価格をだしてもらえました。

イエウールはクレームに厳しい会社なので、不動産業者からしつこい営業電話がかかってくることはありません。

物件情報を入力するだけの簡単手続きで、すぐに売却相場が分かる手軽さも好評です。