不動産業者から広告宣伝費を請求された場合、支払わなければならないのでしょうか。

不動産売却の経験がない人がほとんどですので、中には言われた通り支払ってしまう人もいるかもしれませんが、広告宣伝費は原則として不動産業者が負担するものです。

不動産業者が売主に広告費を請求することは違法ですので、毅然とした態度で断りましょう。

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この記事では、「売主が広告費を負担するケース」から「仲介手数料の範囲でおこなってもらえる広告活動」について紹介します。

広告宣伝費を売主に請求するのは違法

マンション

マンション売却の広告活動にかかった費用は、原則として不動産業者が負担することが宅建業法で定められています

正確にいえば、仲介手数料の中に広告料も含まれているため、別途、請求することは法律で禁止されているのです。

仲介手数料とは別に広告費などと称して費用を請求されたら、それは違法行為ですので、きっちり断りましょう。

ただし遠方の物件の広告活動をおこなう場合など、広告費を支払うケースもあります。

広告費がかかる特別な依頼をしたときは売主負担になる

特別な依頼をしたときは売主負担になる

通常の広告活動で広告費を請求されることはありませんが、例外もあります。

国土交通省が宅建業法に基づいて作成した標準媒介契約約款に、次のように書かれています。

(特別依頼に係る費用)
第9条 甲が乙に特別に依頼した広告の料金又は遠隔地への出張旅費は甲の負担とし、甲は、乙の請求に基づいて、その実費を支払わなければなりません。

ここで言う甲は売主のことで、乙は不動産会社を指します。

ようするに遠方の物件を売却するときに通常の広告活動ではかからない費用が発生するときや、通常よりも目立たせて広告を出したいときなどで、仲介手数料とは別に料金を支払うことを依頼者が承知した場合は、その実費を支払わなければならないということです。

ただし依頼者が頼んでいない活動を不動産業者が勝手におこなった場合はこれに該当せず、支払う必要はありません。

売主が事前に把握していない広告宣伝費を支払うことは絶対にありませんので、安心してください。

仲介手数料の範囲内でおこなってもらえる広告活動

仲介手数料の範囲内でおこなってもらえる広告活動

では不動産業者が、仲介手数料の範囲内でおこなってくれる広告活動について紹介します。

チラシのポスティングや看板などの広告活動でどれだけ反響を得られるかが、マンション売却の成功を左右します。

不動産業者がやってくれるからといって、どのような広告活動がおこなわれているのか売主が知らないのは良くありません。

不動産業者によって広告活動に差がありますし、依頼した不動産業者がしっかりとおこなっていない場合もありますので、以下のような広告活動がされているかどうか一度確認してみましょう。

そもそも仲介手数料がいくらかかるのか分からないという人は、下記の記事も合わせてご覧ください。

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レインズへの登録で物件情報を広める

レインズという不動産業者間の物件検索システムに売却物件の情報を登録することで、多くの不動産業者に物件を見てもらうことができます。

専任媒介契約や専属専任媒介契約でマンション売却を依頼した場合、不動産業者は義務としてレインズへの登録を必ずおこなわなければなりません。

きちんと登録してあるかどうか確認するために、「登録証明書」を見せてもらってください。

一般媒介契約を結んでいる場合はレインズへの登録は義務化されておらず、おこなわない不動産業者もいますので、登録してもらえるようお願いしてみましょう。

ちなみにレインズは月会費のみとなっており、ひとつの物件を登録するのに費用が発生するようなことはありません。

レインズについて詳しく知りたい場合は、下記の記事も合わせてご覧ください。

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平成28年1月からマンション売却の取引状況がレインズで確認できるようになりました。この記事では不動産流通機構が運営するレインズについてと取引状況の確認方法について紹介しています。

新聞への折り込み広告やチラシのポスティングをして反響を待つ

新聞への折り込み広告やチラシのポスティングをして、問い合わせの電話を待ちます。

新聞の折り込みチラシは広い範囲に物件情報をバラまくことができますが、最近はインターネットの普及によって新聞を読む人が減っており、それだけ効果も薄れてきているようです。

一方でチラシのポスティングは、宣伝できる範囲は少ないもののターゲットを狙ってポスティングすれば、多くの反響を得られる可能性があります。

たとえば近隣のアパートに住む人がマイホームの購入を考えていたり、すでにマンションに住んでいる人の中にも子供の成長によって手狭になり、住み替えを検討していたりするのです。

子供の学校の問題や、会社までの通勤距離などから近所で物件を探す人は多く、売却物件の近くに購入者がいたということは珍しくありません。

少し手間はかかりますが、チラシのポスティングは効果的ですので、不動産業者に実施してもらうことをおすすめします。

魅力的なチラシで購入者からの印象を良くしたい場合は、下記の記事も合わせてご覧ください。

マイソクでマンションが高く売れるか決まる?作り方の4つのポイント

マイソクとは?この記事では、魅力的なマイソク(販売図面)を作成するコツについても説明しています。作り方を知っておくことで、マンション売却を優位に進めることができます。

店頭にきた買い手に物件を紹介する

マンションの購入を検討している人が不動産屋に来店した際に、売却物件を紹介してもらうのも効果的です。

すでに不動産購入を前向きに考えている人に対して案内するので、物件に魅力を感じてもらうことができれば、比較的スムーズに購入を決めてもらうことができます。

ただし、不動産業者が物件を紹介しているかどうか分かりづらいのが難点です。

まずは店頭に売却物件のチラシが貼ってあるかを確認し、貼っていなければ貼ってもらうよう依頼しましょう。

道を通る人に現地看板で物件を知ってもらう

道路を走っていて、「売り物件」という看板を見かけたことはありませんか?

看板を見れば売却物件があることが一目でわかりますし、大通りに出すことで多くの人の目に触れるので、非常に効果的な広告活動です。

現地看板を出せばその地域で不動産を探している人の目に入り、多くの反響が見込めるでしょう。

管理人からの一言「広告費を請求してくる不動産会社は危険」

マンション売却にかける広告費は、不動産業者が支払うことが法律で決められています。

何の打診もなかった広告費を請求されても、売主が支払う必要はないということです。

もしも請求されたらきっちりと断り、マンション売却を依頼する不動産業者を変えましょう。

不動産業を営む宅建業者が、広告費を請求してはいけないことを知らないというのは考えにくく、悪質な会社である可能性が高いためです。

そのような不動産業者をまた選んでしまうことのないよう、不動産屋選びには一括査定サイトを利用することをおすすめします。

複数の不動産業者を比較することで、広告費を不法に請求するような悪質な会社を、マンション売却のパートナーに選ぶような失敗はなくなるでしょう。

イエウールで一括査定したら310万も高くなった

管理人がイエウールで自宅マンションを一括査定したところ、街の不動産会社より310万円も高い査定価格をだしてもらえました。

イエウールはクレームに厳しい会社なので、不動産業者からしつこい営業電話がかかってくることはありません。

物件情報を入力するだけの簡単手続きで、すぐに売却相場が分かる手軽さも好評です。