事故物件

事故物件とは心理的瑕疵のある物件のことで、過去に自殺や殺人などがあった不動産のことを指します。

建物自体に問題がなくても、買主に心理的嫌悪感を与えてしまうことから、相場価格よりも安く売買されるのが一般的です。

  • どのくらい値引きすればいいの?
  • 買い手が現れなかったらどうすればいい?
  • 事故物件であることを隠して売却したらどうなる?
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この記事では、「事故物件をトラブルなく売却する方法」から「告知義務の範囲」について紹介していきます。

そもそも事故物件とは?定義はあるの?

事故物件

冒頭でも説明しましたが、事故物件とは心理的瑕疵のある物件のことです。

【心理的瑕疵】
殺人や自殺の現場になったなど、一般的に心理的抵抗を感じやすい物件のこと。

事故物件になってしまう主な原因として、以下のものが挙げられます。

  • 自殺
  • 殺人
  • 孤独死
  • 病死
  • 火災
  • 事故(焼死、一酸化炭素中毒など)
  • 暴力団事務所の所在

同じマンション内で飛び降り自殺や殺人事件が起こってしまった場合、マンション全体が事故物件となります。

心理的抵抗を感じるかどうかは人によって異なるため、明確な定義はありません。

定義が曖昧だからこそ慎重に

定義がないのであれば買主に告知するかどうかは売主が決めてしまって問題ないのでは、と思われるかもしれません。

しかし明確な定義がないからこそ、売主の感覚で判断してしまわず、「もしかすると嫌悪感を抱く人がいるかもしれない」と慎重になるべきです。

故意に事故物件であることを隠してしまうと、以下のニュースのように逮捕される恐れがありますので注意してください。

事件や事故、自殺が敷地や建物内で起きた「事故物件」の自宅を無事故物件と偽り売却したとして、茨城県警つくば中央署は3日、詐欺の疑いで、同県つくば市自由ケ丘、無職、山口稔容疑者(59)を逮捕した。

逮捕までいかなくても、買主に訴えられて心理的瑕疵をめぐって裁判がおこなわれた事例もすくなくありません。

心理的瑕疵をめぐる判例

不動産売買後に、心理的瑕疵に該当するとして契約解除や違約金、損害賠償を請求された事例は以下のとおりです。

・約5か月前、建物内で縊首自殺があった中古住宅の売買
・6年前、ベランダで縊首自殺があったマンションの売買
・6年11か月前、物置内で農薬自殺をはかり、その4日後病院で亡くなった事件のあった、農山村地帯の住宅の売買
・8年9か月前、室内で他殺が疑われる2名の死亡事件等があったファミリーマンションの売買

事故からどのくらい経過していればいいのかと思われた人もいるかもしれません。

上記の判例を見ると、8年前の事故や事件であっても告知しなければならないことは明確です。

また地域の人の記憶に長く残る残虐な事件であれば、20年経っても心理的瑕疵に該当すると判断されます。

「昔のことだから告知しなくていいだろう」というのは通用しませんので、気をつけましょう。

【縊首自殺】
首吊り自殺のこと

売主には、事故物件であることを不動産会社や買主に告知する義務があります。

トラブルなく売る方法 〜告知義務の範囲に気をつけよう〜

告知書

自宅をトラブルなく売却するためには、売主が知っている瑕疵をすべて告知しなければなりません。

売主の自己判断で告知を怠ると告知義務違反となり、トラブルに発展しかねませんので気を付けましょう。

例えば、売却物件で亡くなった人が病死であった場合、告知しない人もいます。

しかし知っていたら買わなかったという人に売却してしまう可能性もあり、その場合、売主には瑕疵担保責任が発生します。

【瑕疵担保責任】
売主が買主に対して負う責任のこと。損害賠償や契約の解除などをおこなう。

不動産売買において、心理的瑕疵は買主の契約判断に大きく影響を与える事項です。

売主はとにかく全てを告知し、契約するかどうかは買主にゆだねましょう。

専有部分で起きたことだけでなく、駐車場やエントランス、廊下、屋上など、共用部分で起こった事件や事故も告知すべき事項になりますので注意してください。

心理的瑕疵の他にも告知しなければならない項目がある

心理的瑕疵の他にも、以下の瑕疵があれば買主に伝えなければなりません。

物理的瑕疵物件 建物や設備に欠陥のある物件
法律的瑕疵物件 使用や収益において法律上の制限がある物件
環境的瑕疵物件 工場の騒音など周辺環境に問題のある物件

告知事項は事故物件であることだけではありませんので、他にも瑕疵があれば必ず告知しましょう。

瑕疵によって売れづらくなったとしても、隠して売却することは絶対におこなってはいけません。

マンション売却時に買主に告知する事項について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。

マンション売却時の告知義務はどこまで?【隣人トラブル・騒音問題】

マンション売却時の告知義務の範囲について説明しています。隣人トラブルや騒音問題、物件の瑕疵について正しく告知することでトラブルを未然に防ぐことができます。

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事故物件を購入したい人もいる!?諦めずに買い手を探そう

心理的嫌悪感を抱くポイントは人それぞれのため、事故物件だからといって必ずしも売却できない訳ではありません。

事故物件となった理由がマンション内での自殺であった場合など、売却物件に直接、関係がなければ嫌悪感を抱かないという人もいます。

むしろ比較的安く売り出されることから、事故物件をあえて探している人もいるくらいです。

オウチーノが事故物件に関するアンケート調査を発表していましたので参考にしてください。

事故物件に住んでもいいと思うか聞いたところ、「住んでもいい」が18.7%、「住みたくない」が47.5%という結果になった。

全体の2割の人は、事故物件に住んでもいいと回答しています。

できるだけ物件を魅力的に見せるように努力し、事故物件でも欲しいと言ってくれる買主を探しましょう。

念入りに清掃しておくことが大事

いくら事故物件であることを気にしない人がいるからといって、明らかに何かあった雰囲気がしていると避けられてしまいます。

自殺や他殺、病死などがあった物件は念入りに清掃をおこない、人が亡くなった痕跡を取り除いておきましょう。

部屋に死臭などが染み付いてしまった場合、費用はかかってしまいますが、特殊清掃員に清掃依頼したほうが良いかもしれません。

消臭洗浄の費用の相場は、だいたい1㎡あたり3,000円前後です。

事故を連想させてしまうものは徹底的に排除し、買主からの印象が悪くならないように気をつけてください。

家具や小物を使って汚れや傷を見えなくしたり、事故物件であること自体を隠して売却するのはタブーです。

事故物件であることを承知で購入してくれる人を探し、そのうえで物件を見てもらいましょう。

事故物件の売却相場|どのくらい値引きすればいい?

値引き

事故物件の売却相場は、市場価格の2〜3割減が一般的です。

ただし不動産には定価がないため、絶対に2〜3割引しなければならないという訳ではありません。

できるだけ高く売却したいのであれば、まずは1割減で様子を見てもいいと思います。

また事故物件となった要因となる事故や事件の程度が大したことない場合も、最初から大幅に値下げする必要はありません。

反対に、なるべく早く売却したい人や事故や事件の程度がひどい場合には、3〜5割引しないと売れ残ってしまいます。

希望する売却期間と、事故や事件の程度によって値下げ率は変わるということです。

自分の物件がいくらで売れるか知りたい人は一度、不動産会社に査定してもらってください。

売却金額が知りたければ不動産会社に見積もりをもらおう

最近はメディアなどでもよく取り上げられているため知っている人も多いと思いますが、不動産一括査定サイトを利用すると簡単に物件の相場がわかります。

【不動産一括査定サイトとは】
物件の基本情報を入力するだけで、複数の不動産会社から見積もりを送ってもらえる便利ツール。

事故物件を取り扱っていない不動産会社もあるため、わざわざ一社一社に査定依頼して回るのは非効率的です。

まずは不動産一括査定サイトで事故物件にも対応してくれる不動産会社をピックアップしたうえで、話を進めるのがベターでしょう。

不動産一括査定サイトの中でも、しつこい勧誘がなく、事故物件に対応している不動産会社が多いイエウールがおすすめです。

イエウール

買取業者に売却すればスピーディに現金化できる

不動産会社に買い手を探してもらう仲介という方法で売却するのが一般的ですが、早く売って精神的に楽になりたい人は買取サービスを利用するのも一つです。

仲介と買取の違い

買い手 値段
仲介 不動産会社 市場価格
買取 個人 市場価格の7割程度

不動産会社に直接、物件を買い取ってもらえるため、とにかく早く現金化できるのが特徴です。

ただし心理的瑕疵のある物件を買い手が避けるのと同様に、進んで購入してくれる不動産業者は少ないと思っておいた方がよいかもしれません。

上記で紹介した不動産一括査定サイトで事故物件に対応している不動産会社を見つけて、買取サービスをおこなっているかどうか問い合わせてみましょう。

買取について詳しく知りたい人は、下記の記事も合わせてご覧ください。

マンションの「買取」は損をするって本当?高く買い取ってもらうコツは?

マンションの買取は損をするって本当?この記事では、買取保証についてや買取のメリット・デメリット、高く買い取ってもらうコツについても紹介しています。手軽だからといって安易に買取を選択してしまうと、思わぬ不利益を被るかもしれません。

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管理人からの一言「事故物件でも売却できる!諦めないことが大切」

一般の物件より時間はかかるかもしれませんが、安ければ事故物件でも気にならないという人と出会えれば売却できます。

諦めて放置してしまわず、営業力のある不動産会社を探し、売却活動をおこないましょう。

事故物件の売却まとめ

  • 心理的瑕疵を不動産会社や買主に隠さない
  • 清潔にして、事故や事件があった痕跡を残さない
  • 価格は2〜3割減が一般的、早く売りたければ5割引する
  • 買いたい人もいるから諦めない

マンション売却の全体の流れについては、下記の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

マンション売却の流れ|売る時の注意点や税金まで徹底解説!【3分で分かる動画つき】

マンション売却の流れや注意点、税金について初心者にもわかりやすく解説しています。大切な資産を売るのですから、基礎知識はもちろん、損をしない売却方法についても知っておくべきです。失敗したくない!できるだけ高く売りたい!という人はぜひ参考にしてください。

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